2009/01/06

2009.01.06




Rick Owens (from Oki-ni)

今日はおとなしく過ごした。とてもおとなしく。誰とも話さず。
読んでる共同通信社社会部編『沈黙のファイル』にすごい発見をした。ひとつ目は、長崎に投下した原爆に「不発弾」が存在し、それを大本営参謀の朝枝繁春という人物がソ連に譲り渡すことで米ソ間のパワーバランスを均衡させ、そこに敗戦国日本の活路を見出そうとしていた、ということだ。残念ながら実際は不発弾ではなく、単なる計測用の弾(?)だったようだが。同様に一部の大本営参謀はソ連に朝鮮半島及び対馬を占領させることにより米国の影響力を和らげようとしていたらしい。それにしてもなんて際どい均衡なのだろうか。当時は、このような「とち狂った」感覚が平気で受け入れられていたのだろうか。

ふたつ目は、満州に関する話である。この話もかなり驚愕の念を隠せないが、軍部は敗戦後の民間人引揚に決して熱心ではなかったという。現実にソ連との戦後交渉の中で日本の産業・労働力をソ連の支配下に置くことを日本側から提案しているのである。この背景にあるものは、軍部の戦後構想の楽天性にある。彼らは戦後も満蒙権益を(将来的には?)回復できると考えていたのか、日本人を満州に残した方が国益になると考えたらしい。しかし、このようなお気楽な認識は、スターリンにいい様に弄ばされ、50万人以上の日本人がシベリアに抑留され、5万人以上の死者を出す歴史の歪みを生んでしまったのであった。

どちらもソ連に対する認識の甘さにただただ驚かされる。

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